2005年ごろからサーバ仮想化の注目が高まり,今日では情報システム基盤として必要不可欠な技術と言われるようになりました。(社)日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)による企業IT動向調査2010では,サーバ仮想化を導入済・検討中と回答した企業が65%,売上高1兆円以上では97%と,サーバ仮想化が既にコモディティ化していることが裏付けられています。
筆者らも,帝京大学医学部附属病院において病院情報システムのサーバ仮想化の設計から運用に携わっております。2009年5月から実際に本運用を開始し,現在では約40のサーバを仮想マシンとして運用しております。今日までトラブルもなく,むしろ仮想化によってハードウェアトラブルによるシステム停止を避けることができたなど,多くの利点を享受することができました。
本連載では,サーバ仮想化が注目されている背景,医療情報システムにおける仮想化の導入状況,技術的解説,筆者らの導入事例を6回にわたって紹介いたします。
【目次】
- 第1回 サーバ仮想化の概要と用語の整理
- 第2回 サーバ仮想化技術の種類と機能
- 第3回 医療情報システムにおける仮想化
- 第4回 病院内部門システムの仮想化事例
- 第5回 病院内における運用方法と課題
- 第6回 クラウドへの展開
なお,医療情報学 Vol.30,No.2,pp.109~118に「病院情報システムの仮想化による導入コストの比較」と題して病院情報システムの仮想化の導入コストについてまとめた記事が採録されております。ご興味の方はこちらもご参照ください。
(2012-12-26更新)